環境自然科学プログラム - 基礎科学の立場から自然環境と人間活動にかかわる教育・研究を行っています。

環境自然科学セミナー

<Last update : 2024.2.29>

第269回 「環境自然科学セミナー」

題目 SDGs時代の人と自然:ローカルとグローバルをどう繋ぐか?
講演者 笠田実(東北大学大学院生命科学研究科・日本学術振興会国際競争力強化研究員)
日時 2024年3月13日(水) 13:20-14:50
場所 神戸大学人間発達環境学研究科 B208教室(鶴甲第2キャンパス)
要旨  最近さまざまな場所でSDGs(Sustainable Development Goals,持続可能な開発目標)の鮮やかな四角いデザインを見かけるようになった.SDGsの目標には陸や海の豊かさを守ろうという項目があり,生物多様性保全に対する社会からの理解は,以前より格段に得やすくなった.これは生態学研究,特に保全の分野には追い風となるかもしれない.一方で,生態学者が科学者として求められる社会的責任も増してきているという側面もある.陸や海の豊かさをどのように守っていけば良いか,という問いに分かりやすい解答を示すことは難しいのかもしれない.特に,生態系の複雑さと多様なステークホルダーを持つ現代の社会システムがその難しさに拍車をかけている.本発表では人と自然がどのように共存,共栄し,陸や海の豊かさを守ることができるという問いの答えを,一般化を重視する科学的研究や制度を構築するための政策などのグローバルな観点と,個々人の行動や保全団体の活動現場でのローカルな観点の違いに着目して,私たちのこれまでの研究を紹介しつつ,一緒に考えていきたい.
連絡先: 佐賀達矢

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