<自然環境論コーススタッフ研究内容紹介>

上地 真一(教授)
Shinichi Ueji
(E-mail address: 　ｕｅｊｉ＠ｋｏｂｅ−ｕ．ａｃ．ｊｐ)



加水分解酵素のリパーゼの機能ひとつであるエナンチオ選択性 (キラル物質の職別能)の発現機構の解明について研究を行ってきた。 このエナンチオ選択性機能は有機化学分野及びその周辺領域の研究者に とっては、最も有用で重要な酵素機能である。 特に、反応場における種々の因子(溶媒、温度、基質)とエナンチオ 選択性機能との相関関係が明らかになりつつある。 現在、本研究室で得られた結果を総合的に考察すつと、リパーゼの ３次構造の部分的崩壊によるタンパク質の柔軟性が、エナンチオ 選択性機能を支配していると考えられる。 これらのリンパーゼのエナンチオ選択性機能に関する知見を利用して、 医薬品等の安全性に関わるエナンチオマーの効率的光学分割を行っている。
また、酵素機能の解明との関連において、原始地球環境下で生成したと 考えられるポリペプチド(ホモキラリティーとヘテロキラリティー)の 安全性が、生命の起源とどのように関わっているのかについても研究を 進めている。)

(ゼミ、旅行、テーマの一部については江原研と協力体制で行う)