森井 俊行 先生 最終講義

The Standard Models and Beyond: Physics and My Life
標準模型を超えて ― 物理学と私の歩み ―

森井 俊行 教授(発達科学部人間環境科学科) 

日時:2005年2月24日(木) 13時30分から15時00分
場所:神戸大学発達科学部 大会議室 (A棟2階A220)

概要

昔から我々人間はどういうわけか、我々の目にする世界は、一見、 複雑で混沌としているように見えるが、実は、その背後に何かきちん とした単純な法則があるはずだと思い、今もそれを探し続けている。 この先人達の努力によって、現在では、全ての物質が原子・分子から なり、原子・分子は原子核と電子から、原子核は陽子・中性子という 素粒子からなり、更にその素粒子はクォークという基本粒子からなっ ていることが明かにされた。そしてその世界を記述するものとして、 20世紀の後半になって、素粒子物理で言ういわゆる「標準模型」が 確立した。この理論によれば、物質の基本構成子はクォークと電子な どのレプトンであり、それらの粒子はゲージ粒子と呼ばれる力の媒体 を交換することによって相互作用し、それによって現実の複雑で豊か な世界を作り上げていることになっている。更に、宇宙初期から現在 に至る過程での世界の相を変化させる役者としてのヒッグス粒子の存 在が予言されており、これを見つけることが現在の素粒子物理学の最 大の課題になっている。

ここでは、この素粒子物理の標準模型を簡単に紹介し、そしてそれ を超える物理の今後の展望を示すと共に、私がどういうきっかけで、 この分野に入ったのか、また、何を考えながらやって来たのか、先輩 や学生達に助けられながら自分自身の歩いて来た道を振り返ってみた い。

連絡先: 蛯名邦禎 (発達科学部 自然環境論講座)
      e-mail: ebina@kobe-u.ac.jp
      voice: 078-803-7754

※多数の学生・教員ほかの皆様のご来聴をお待ちしております.
  ※ なお,終了後,森井先生との歓談の機会を設ける予定です。
※なお,過去の自然環境論セミナーの記録は, こちらをご覧ください.