第212回自然環境論セミナー 

酵素反応データベースの開発:酵素蛋白質の配列解析
長野 希美 氏
(産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター)

日時:2009年9月1日(火)15:10−16:40

場所:発達科学部G302号室

本研究では、酵素触媒機構を決定する要因を考慮し、 酵素とリガンドの反応部位に特に注目し、 PDB中に登録されている酵素立体構造データのリガンドのアノテーションから 酵素触媒機構の系統的な分類まで行う酵素触媒機構データベース、 EzCatDB (URL:http://mbs.cbrc.jp/EzCatDB/) を開発している[1,2]。 このデータベースでは、(1)基本反応、(2)リガンドの反応部位の構造、 (3)触媒機構の種類、(4)酵素側の触媒残基、補酵素の種類、 というように階層的に酵素触媒反応を分類している。 更に、この酵素反応データベースに登録されている酵素蛋白質の配列をシードにして、 UniProtと呼ばれる蛋白質の配列データベースを解析した。 その結果、生物種を超えて普遍的に存在する酵素もあれば、 生物種に特異的な酵素も観られることが判明した。 本セミナーでは、こうした酵素蛋白質の解析結果についても紹介する。

参考文献
(1) Nozomi N. (2005) Nucleic Acids Research, 33 Database Issue, D407-D412.
(2) Nozomi Nagano, Tamotsu Noguchi, Yutaka Akiyama (2006) PROTEINS: Structure, Function, and Bioinformatics. 66, 147-159.

多数の方々のご来聴をお待ちしております。

※ 過去の自然環境論セミナーの記録は こちら, その他の案内は こちら をご覧ください.

□ 連絡先: 田中 成典 (発達科学部 自然環境論コース)
  電子メール:tanaka2@kobe−u.ac.jp