第210回自然環境論セミナー 

アミロイド線維形成蛋白質の線維化機構とリン脂質膜との相互作用
濱田 大三 氏
(神戸大学大学院 医学研究科 生化学・分子生物学講座 構造生物学分野G-COE)

日時:2009年7月22日(水)13:20−14:50

場所:発達科学部B302号室

 生合成される蛋白質は、その機能的状態である天然構造に折れたたまれる性質 を元来持っている。しかしながら、生合成過程においても、蛋白質の折れたたみ が失敗し、ミスフォールド状態が形成されることが、往々にしてある。更に、こ のようなミスフォールド状態が蓄積し、更に高次の会合体を形成することで細胞 毒性を獲得し、アルツハイマー病などのミスフォールディング病を引き起こす。 アミロイド線維、あるいは毒性オリゴマーはこのような高次の会合の一つであ る。また、このような病気との関連性が未だに明らかにされていない蛋白質につ いても、アミロイド線維様構造が形成されることから、このような凝集体形成能 は、ポリペプチド鎖固有の性質であることが示唆される。

 本セミナーでは、単一アミロイド線維観察から得られた線維伸長機構の解析、 天然構造の揺らぎとアミロイド線維形成の関係、毒性オリゴマーと細胞膜との相 互作用及びその際に起きる蛋白質/脂質の物性変化に関して、最近、得られた知 見について紹介する。

多数の方々のご来聴をお待ちしております。

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□ 連絡先: 田中 成典 (発達科学部 自然環境論コース)
  電子メール:tanaka2@kobe−u.ac.jp