第167回自然環境論セミナー 
マイクロ波エネルギーと化学反応
柳田 祥三 氏
(大阪大学 先端科学イノベーションセンター)

日時:2007年2月13日(火)15時10分−16時40分
場所:発達科学部 G302号室  (G棟3階)

 マイクロ波とは振動数300Mhz−30Ghz (波長1−1000mm)であり、ラジオ波と遠赤外線 (テラヘルツ領域)の間に位置する電磁波である。通信用に用いられるばかりでなく、 電子レンジでなじみのように食品加熱、さらに、医療、化学的プロセス等に幅広く 利用されている電磁波である。マイクロ波エネルギーは物質を構成する分子中の局在電子、 自由電子に作用して反応系内部に熱発生を引き起こし、極性液体系、液体/固体混合系、 さらには、固体物質系を急峻に温度上昇させる。瞬時の熱発生は、 マイクロ波エネルギーによって駆動する“電子熱”作用と呼べる。 この“電子熱”触媒作用は、溶液系化学反応の考え方を根本的に変革する要素をもつ。 本講演では、環境電磁波でもあるマイクロ波エネルギーを化学反応の新型熱源として捉え、 生体への影響を考える機会としたい。

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□ 連絡先: 田中 成典(発達科学部 環境基礎論講座)
  電子メール:tanaka2@kobe−u.ac.jp