第147回自然環境論セミナー 

植物の光合成に学んだ色素増感太陽電池

小田 敏宏 氏
(九州工業大学大学院 生命体工学研究科)

日時:2006年2月20日(月)15時10分−16時40分
場所:発達科学部 G302  (G棟3階)

地球上に絶え間なく降り注ぐ太陽光を使った発電が,究極のクリーンエネルギーを 実現することは,きっと誰の目にも明らかなことでしょう。しかし,これだけ地球 環境がさけばれる時代であっても,世界中の屋根が太陽電池でいっぱいになる ところまでは行っていません。これは,なぜでしょうか?最大の理由はコストです。 つまり,太陽電池を使って各家庭で電力を発電するよりも,電力会社から買った 方が安いのです。このため,太陽光発電を本格的に普及させるには,安価に 製造できる太陽電池が必要です。また,地球環境を考えた場合,安価に製造 できるだけでなく,環境に悪影響を与えない材料で作られていることも重要 です。色素増感太陽電池は,この低コスト・低環境負荷という2つの条件を クリアすると期待されており,現在,非常に注目されている次世代型太陽電池 です。また,色素増感太陽電池は,低コスト・低環境負荷というだけでなく, 今までの太陽電池と全く異なる,植物の光合成に似た発電機構を持つところに 大きな特徴があります。さらに,この発電機構にナノテクノロジーを組み合わ せることによって,高性能を実現しているため,新しいデバイスとしても 非常に興味深い側面があります。本セミナーでは,太陽エネルギーについて みなさんと一緒に考えるところから始めて,現在使われている一般的な太陽 電池や,現在盛んに研究が行われている色素増感太陽電池について,初心者の 方にもわかりやすく解説して行きます。

※ 多数の学生・教官・一般の皆様のご来聴をお待ちしております.
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□ 世話人:田中成典
        e-mail: tanaka2@kobe-u.ac.jp