被子植物(花)と送粉者の共生
(身近な生物間の共生から環境を考える)
丑丸 敦史 氏
(総合地球環境学研究所)
日時:2005年1月22日(土) 13時00分から14時00分
場所:神戸大学発達科学部 大会議室 (A棟2階A220)
この発表では被子植物の多様化のきっかけとなった送粉者との共生関係について花
の生態学的な視点での研究と群集生態学的な視点での研究とに分け、それ ぞれ紹介
する。
花の生態学的な研究としては花を構成する器官(雌蕊、雄蕊、花弁、がく片)の大
きさ(サイズ)の変異が送粉者への適応として進化していることを示した 研究、花の
咲く方向(方位、角度)が送粉者の行動を制御することを明らかにした研究について
説明する。
植物―送粉者群集の研究では、国の天然記念物に指定されている京都市深泥池での
保全に関する生態研究、阿武隈山地の里山で行ったマルハナバチ類の人工 景観利用に
ついての研究について発表する。ここから人間活動がいかに植物―送粉者群集に影響
を与えるのか、また人間活動化で両者の存続を可能にするため にはどのような思考が
必要か議論する。
以上の研究紹介から、身近な花という存在の研究からどのように環境をみていくの かについて考えたい。
世話人: 寺門 靖高 (terakado@kobe-u.ac.jp)
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