生態系の規模を考慮した水圏生態系の管理
加藤 元海 氏
(日本学術振興会特別研究員/京都大学生態学研究センター)
日時:2005年1月22日(土) 10時30分から11時30分
場所:神戸大学発達科学部 大会議室 (A棟2階A220)
河川においても、その生態系を管理する上で規模を考慮する必要があると考えられ ます。河川の場合、河自体の大きさに加えて、同一河川内でも本流・支流・山間渓流 といった様々な規模が存在します。規模が異なると、栄養塩希釈効果や岸辺に生える 植物群落の水質浄化の効果が変わると予測されます。栄養塩問題のほかにも、生物が 水中生活を行う上で欠かせない酸素の問題も考えられます。富栄養化や河川改修など の影響により溶存酸素は変化し、水生生物の分布を制限ことがあります。私がこれま で河川において行った、酸素条件と水生昆虫の分布に関する研究を簡単に紹介した 後、人為的な影響を受けやすい河川の特徴を特定するといった近い将来研究テーマと して関心をもっていることについても言及する予定です。
水圏生態系は、湖沼と河川が繋がっているのが特徴です。最後に、湖沼と河川の規 模を考慮した研究を基に、湖沼と河川が相互作用する「流域」を管理するための研究 の展望について話したいと思います。
世話人: 寺門 靖高 (terakado@kobe-u.ac.jp)
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