第109回自然環境論セミナー
変化する瀬戸内海の生態系
藤原 建紀先生
(京都大学大学院農学研究科教授)
2004年9月14日(火)13:30〜14:30
場所:発達科学部 G112
概要
瀬戸内海は高い生産性をもった海である.この海の水質を改善し,維持するため1970
年代から多くの努力が払われ,陸上から流入する有機物(COD)・リン・窒素負荷量の
削減が行われてきた.これらの施策によりごく岸近くの水質は著しく改善されたが,
海域全体の水質には顕著な改善はみられず,むしろ負荷量の変動とは対応しない変動
がみられる.
また,近年の瀬戸内海では,養殖ノリの窒素不足で色落ちが起きる,アサリがとれ
なくなった,熱帯の魚が入ってきた,海藻やアワビがへった,などの多くの異変が伝
えられている.これらを起こす10年スケールの大きな生態系の変化とその原因につ
いて述べる.
(集中講義「水圏環境地球科学特論」の一部の時間を開放して,受講生以外の学部学
生,大学院生,専門の異なる教官も聞けるようにセミナーお願いいたしました.)
連絡先:寺門 靖高
terakado@kobe-u.ac.jp
※多数の学生・教官・一般の皆様のご来聴をお待ちしております.
※なお,過去の自然環境論セミナーの記録は,
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