第105回自然環境論セミナー
シンクロトロン放射を用いた放射線生物照射効果の物理化学的初期過程
横谷 明徳 氏 (日本原子力研究所・先端基礎研究センター)
日時:2004年7月27日(火)午後4時−5時30分
場所:発達科学部 G302
概要
放射線による突然変異や発ガンの原因は、細胞中のゲノムDNAの
分子損傷であると言われているが、まだその詳しいメカニズムは明らか
ではない。放射線のエネルギー吸収に開始されるDNAの損傷過程を解明す
るため、我々はこれまでシンクロトロン放射(放射光)を光源として用
いた分光学的な研究を行ってきた。セミナーでは、播磨地区の第3世代放
射光施設(SPring-8)で行われている、DNA及び関連分子に対するX線鳩
首微細構造測定や照射により生成するDNAラジカルやイオンなどの測定
により得られた最新の成果について報告する予定である。また損傷DNA
に対する修復酵素タンパク質の反応を利用した、DNA損傷の新しい検出
方法についても解説する。
連絡先:中川和道
nakagawa@kobe-u.ac.jp
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