高橋覚研究員が日本写真学会2014年度進歩賞を受賞

 2014年5月26日に行われた日本写真学会2014年度学会賞の授賞式において、本研究室の高橋覚研究員が、「エマルションガンマ線望遠鏡のための時間分解原子核乾板多段シフターの開発」に関する成果が認められ、進歩賞を受賞しました。

[題目]
エマルションガンマ線望遠鏡のための時間分解原子核乾板多段シフターの開発

[受賞理由]
 近年の宇宙観測では、電波からガンマ線にわたり多波長での観測が進展している。その中で、ガンマ線の観測は、宇宙における高エネルギー現象に対して直接的な知見をもたらす。高橋覚氏は、原子核乾板から成る、高い角度分解能、及び直線偏光に対して感度を持つ、大口径面積のガンマ線望遠鏡(エマルションガンマ線望遠鏡)の開発を進めており、気球フライトによる宇宙ガンマ線観測を目指している。
 本望遠鏡の姿勢が時々刻々と変化する中で、ガンマ線の天球に対する到来方向を決定するためには、本来時間情報を持たない原子核乾板の飛跡に、秒以下の時間分解能を持たせる必要があった。同氏は、原子核乾板を多段にし、各段を固有の周期で動かし、時刻に応じた位置関係を創り出すことで、解析時に入射時刻を秒以下で再構成できる機構(多段シフター)を考案し、そして、それが実現可能であることを示した。多段シフターは、エマルションガンマ線望遠鏡の時間分解能付与機構として大変優れ、現在本望遠鏡の基本構成として組み込まれている。また、気球フライトモデルの開発や、さらなる性能向上(高時間分解能、大面積化、長時間化)に向けて精力的に取り組んでおり、宇宙ガンマ線観測に向けて強力に推進している。また、エマルションガンマ線望遠鏡のために開発してきた多段シフターは、原子核乾板を使った新たな素粒子実験や宇宙線観測などの可能性を拓くことも大いに期待できる。

 選考してくださった日本写真学会学会賞選考委員会をはじめ、名古屋大学F研究室の原子核乾板の技術協力、三鷹光器社の気球フライトモデルの具現化、JAXA大気球実験室の気球実験の成功裏な遂行、そして共同研究者や大学院生らのたゆまぬ努力、これらも相まって進歩賞受賞に至っています。また、本研究開発は、JSPS科研費(課題番号20244031、課題番号26247039、課題番号26800138)、および特別研究員奨励費を受け、おこなっています。

 進歩賞は、写真および関連する分野の科学技術に関する独創的で優れた内容の研究発表を行った若手研究者に贈られます。
外部リンク 一般社団法人日本写真学会

以下の写真は授賞式の様子です。



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